実在のロボット概略

実在のロボット概略

ここでは、現実世界におけるロボットの研究・開発状況について解説する。
ロボットは長い間フィクションの中だけに登場する存在であったがある範囲内で自律的に人間の代行ができる機械がロボットと呼ばれるようになった(工業(産業)用ロボット:自動車組み立てロボットなど)。
主に工場などの生産ラインで力が必要な作業や、高温など危険な環境下での機械関係の点検・保守作業などで、産業用ロボットが活躍している。

歩行するロボット(人の形をした物)

歩行するロボット(人の形をした物)

現在、ASIMO(本田技研工業)・HRP-2/HRP-3(川田工業・産業技術総合研究所・川崎重工業)・SDR-4X/QRIO(ソニー)等の二足歩行可能な人型ロボットが開発・発表されており、ROBO-ONEのような企画向けに個人で製作されるロボットにも高度なものが現れ、オーケストラを指揮したり、TPR(トヨタ)等のトランペットを吹いたり、ドラムを叩いたりする物も登場している。
いずれもこれら人の形を目指したロボット開発は、古くからのSF作品で描かれた「人間社会に溶け込んで、人間と共同作業や共に生活するロボット」というイメージに沿ったものでもあり、日本においては『鉄腕アトム』の影響が少なからず二足歩行ロボット開発者の発言に示されている一方、若い世代では一連の巨大ロボットもののアニメーション(→ロボットアニメ)が言及される。
たとえばASIMOでは前述の『鉄腕アトム』を、HRP-2/HRP-3開発者の一部は『機動警察パトレイバー』の影響を受けていることを公言している。
なおHRPシリーズは実動機のデザインをアニメのメカデザインで活躍する出渕裕に依頼したことでも知られる。

一般社会に普及し始めたロボット

古くはリモートコントロールや簡単なマイクロコンピュータで制御された物が、博覧会や展示施設で訪れた者の目を楽しませていたが、近年ではコンピュータの高度化に伴い、施設案内業務等の実質的な「仕事」を果たすロボットが登場している。
前出のASIMOに到っては、イベント会場の客寄せにレンタルされたり、2002年にはニューヨーク証券取引所で、史上初めて「人間以外では初めて」取引開始の鐘を鳴らす等して、最近では日本科学未来館・ツインリンクもてぎ・鈴鹿サーキットホールメープル・Hondaウエルカムプラザ青山に常設され、訪れた人々の間を歩き回ったりもしている。
一部では(歩行する人間型の物ではないにせよ)自動的に建物内を巡回・警備するロボットがレンタル開始されたり、病院内の物資運搬にロボットカートが採用されるなど、非人間型ロボットを中心に、人間社会に浸透しつつある。

一般社会に普及し始めたロボット

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